限局性恐怖症の徴候とは?

限局性恐怖症の事実. 恐怖症の症状

恐怖症は、動物、対象、状況への持続的かつ過度の恐怖が特徴です。恐怖の強さは現実の危険と釣り合っていません。例えば、高い所への恐怖は人々が抱きやすい一般的な恐怖です。高所恐怖症をもつ人が約10メートルの高さから見下ろすと、強いめまい、気が遠のく感じや、恐れを感じ、できるだけ早くその状況から離れることを望んでいます(「落ちるかもしれない」)。恐怖症の重症度によっては、小さな橋を渡る必要があるときに、これらの恐怖症の症状を経験する人もいます。経験するかもしれない他の恐怖症の症状には、息切れ、速い鼓動、パニック発作、発汗があります。恐怖症の症状は、身体的、感情的、精神的レベルで経験することがあります。速い鼓動は身体的症状、恐怖は感情的であり、精神的レベルに関しては、その状況から早く離れたいということがいえます。

このページでは、可能性のあるすべての限局性恐怖症の症状と診断基準について、例や詳細な説明を添えながら論じていきます。


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DSM 5 による限局性恐怖症の症状と診断基準

恐怖症の症状.

( ※DSM 5=精神疾患の診断・統計マニュアル)
この章では、限局性恐怖症の診断基準を考察しながら、限局性恐怖症の症状について説明します。斜体文字は説明のために追加したもので、右(上)の絵に書かれているような症状を含んでいます。

限局性恐怖症 基準 A

A. 特定の対象、動物、状況(例:高所、自然災害、注射されること、血を見ることなど)に対する恐怖や不安になります。注:子どもの場合、恐怖や不安は泣いたり、かんしゃくを起こしたり、凍りついたり、まといつくことによって表されることがあります。特定の動物、対象、状況に対する恐怖や不安の表れは、以下によって特徴づけられます。

  • 突然の激しい恐怖
  • 著しい恐怖
  • 発汗
  • 震え
  • 呼吸困難
  • 落ち着きのなさ
  • 速い鼓動
  • 息切れ
  • 筋肉の緊張
  • 頭がくらくらする
  • リラックスできない
  • 追い詰められている感じ
  • 緊張感

あなたが最も悩まされている限局性恐怖症の症状は何ですか?

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これらの限局性恐怖症の症状のうち経験する数が5つ未満の場合は、この基準を満たすのに十分ではありません。しかし、恐怖の状況、動物、対象を避けている人がいるため、恐怖症の症状を満たす経験をしていない可能性があります。その場合、その人が恐怖の状況、動物、対象に遭遇したとき、より多くの恐怖症の症状を経験するかもしれません。

限局性恐怖症 基準 B

B.恐怖の対象や状況がほとんどいつも、すぐに、恐怖や不安を誘発します。例えば、クモ恐怖症をもつ人は、部屋にクモがいるとパニックに陥ったり叫び始めたりします。犬恐怖症をもつ人は、犬が近づいてくると動けなくなったり、内面でパニックになる(多くの不安やストレスを経験している)かもしれません。

限局性恐怖症 基準 C

C.恐怖の対象や状況は積極的に回避されるか、強い恐怖や不安を感じながら耐え忍ばれます。限局性恐怖症をもつ人が恐怖の状況、動物、対象に遭遇したとき、(可能な限り)早くその状況から離れたいと思ったり、その動物に近づくことを避けたり、自分の気を紛らわそうとしたりします。自身の気を紛らわすことは、恐怖の動物や対象から離れるのと同じように、短期的には不安レベルを軽減します。残念ながら、回避することは長期的には機能せず、不安レベルや他の限局性恐怖症の症状が高まる結果となります。回避のマイナス効果についての詳細はこちらをクリックしてください。また、限局性恐怖症をもつ人々は、恐怖の動物、対象、状況に遭遇する状況を避けようとしたり、多くのストレスと不安を抱えながら耐え忍ぼうとするかもしれません。飛行機恐怖症のため異国情緒あふれる休暇へ行くことを避ける人々やスピーチやプレゼンテーションをする必要がある社交恐怖をもつ人たちのことを考えてみてください。これらの人々が飛行中やスピーチの間に平静を保つために精神安定剤を使用することは一般的です。

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限局性恐怖症 基準 D

限局性恐怖症 
恐ろしい状況に対する
正常な反応と不釣り合な反応

D.恐怖や不安は特定の対象や状況によって引き起こされる実際の危険性や社会文化的状況に釣り合いません。部屋の中でねずみを見た女性が椅子の上に立っているという典型的なイメージは、この基準の完璧な例です。血を見たときに失神したり嘔吐することはその状況に不釣り合いな別の反応です。前者の例では女性が自分の行動をコントロールしているのに対し、後者の例ではその状況をコントロールできていません。

限局性恐怖症 基準 E

E.恐怖、不安、または回避は持続的であり、典型的には6カ月以上続いています。この基準はDSM Ⅳ-TRからDSM 5に改訂されたときに変更され、そしてこれはまだ専門家の間で議論されている基準です。もし上記の限局性恐怖症の症状にひどく苦しんでいる状態が3カ月続くのであれば、治療のために専門家に相談することを強くお勧めします。限局性恐怖症の治療法は、他の限局性恐怖症の基準を満たす人々にも効果的です。

限局性恐怖症 基準 F

F.恐怖、不安、または回避が、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしています。もし社交恐怖をもっていても、仕事や社会生活でうまく機能しているのであれば、治療のために専門家に相談する必要はありません。しかし、もし社交恐怖をもつ人が同僚との交流中に多くの上記の症状を経験している場合は、治療のために専門家に相談することが重要です。通常、限局性恐怖症の症状は同僚との社会的交流では改善しないため、これらの症状に耐え忍ぶことが社交恐怖を増大させることへつながります。これらの社会的交流の間に1つまたはそれ以上のトラウマ体験をするのは一般的でさえあります。


限局性恐怖症 基準 G

G.その障害は、(広場恐怖症にみられるような)パニック様症状または他の耐えがたい症状;(強迫症にみられるような)強迫観念と関連した対象または状況;(心的外傷後ストレス障害にみられるような)心的外傷的出来事を想起させるもの;(分離不安症にみられるような)家または愛着をもっている人物からの分離;(社交不安症にみられるような)社会的場面、などに関係している状況への恐怖、不安、および回避などを含む、他の精神疾患の症状ではうまく説明されません。あなたは、PTSD、強迫症、または全般不安症と重複した症状があることにお気付きでしょうか。これらの症状のいくつかが重複しているという事実があるため、他の精神障害を除外することは重要です。

例えば、開放水域(海、川、湖)を恐れている(海洋恐怖症)をもつ人が子どもの頃に溺れかけていたとしたら、この開放水域(および泳ぐこと)への恐怖がこのトラウマ経験のせいである可能性があります。この経験のトラウマ治療を施すことは、ほとんどの場合、開放水域への恐怖を著しく減少するか取り除くでしょう。‘限局性恐怖症の症状’を引き起こすトラウマ経験があるため、限局性恐怖症の治療法はあまり効果的ではないでしょう。